190127-200127

君が「アイドル」だった時、私は「歌手」としての君を早く見たいとずっと思っていた。
いわゆる「オタク」とカテゴライズされるような事を君に出会うまでやって来なかった私は、君のことを「アイドル」として特に見ていたことも少なかったし、
そういう邪な見方に優越性を感じていた節もあった。「アイドル」としての君の立ち位置なんかどうでもよくて、君自身に惚れていたし、
社会現象とまで言わせしめたテセドルの一員であった君だから愛でていたわけではなかった。君がその衣を脱いだ先で見せる光景をずっと待っていた。

 

君は「アイドル」になりたかったわけではなかったのだと思う。
君がひょんなことからオーディション番組に参加して、小さいころから聖堂に熱心に通っていたほど真面目で誠実な男の子だったので、
「自分が一度やってみようと決めたことは最後までやり通そう」と思って、プロジェクト中必死にしがみついていたのだと思う。
ダンスができなくて泣いたことも、常に「僕はもう落ちるから」と吐露していたこともあったけれども、諦めることは自分で自分の可能性を潰してしまうことだと思っていたから、君は最後までやり遂げた。
君が回を増すごとに、そうやって自分の限界に挑戦していって、その度に着実に夢を確信へと変えていくさまに、皆心を奪われたのだと思う。
「努力は身を結ぶのだ。自分を信じさえすれば」ということを君は身をもって体現してくれた。

 

君は「アイドル」になりたかったわけではなかったのだと思う。
運命のめぐりあわせで、君は「アイドル」になって、それを神から与えられた使命かのように受け入れ、約1年半、君は全力で「アイドル」を全うした。
黙ってても売れるようなグループにいながら君は胡坐をかくどころか依然として常に自分の限界に挑戦していた。あんなに苦手だったダンスも楽しいと言って練習に励み、
Kangarooではバッキバキに踊っていたし(ソウルコンで初めて見たときは衝撃的過ぎて笑ってしまった)、
ボーカリストを目指していて、もともとソウルフルな歌声が強みだった君が、「アイドル」っぽい歌声を出すことに研究を惜しまなかったり、
君はみんなが羨むほど人気な「アイドル」になった1年半ですら、常に努力することを惜しまなかった。常に君は君を起点に自分自身が努力することで見せられる姿を、君なりのアイドルとして提示していた。

 

君の「アイドル」としての最後の4日間、私は2日間しかこの目で見守ることはできなかったけれど、
ソロで君が見せた姿は本当に格好が良かった。君がボーカリストを目指してギター1本で披露したあの日からすべてが始まって、苦手だったダンスも自分のものにして、その一連のシークエンスをまじまじと見せつけいていた。約4分間のとても長いとは言えない時間の中で、君は今までの自分を再現するかのように、そして新しい自分を見せつけるかのように、ステージを披露した。蛹が脱皮して蝶になって清々しく舞っているかのような溌溂さだった。たった一人でステージを盛り上げ、約2万人に魅せつけた様を見て、私は「君は大丈夫だ」と思った。
君は個人練習生だったし、君が他のメンバーとグループを作ってどうこうという未来は1mmも想像できなかったし、だから「アイドル」を終えた君がソロになることは当然のレールだと思っていた。
君は歌の子だったから、それだけでも十分魅了してきたから、常に満足してきたけれど、満足していなかったのは寧ろ君自身で、最後の最後に、自分のすべてを出し切ったステージを見て、「君はひとりでも大丈夫」と思ったのだった。

 

君が「アイドル」であったとき、私は君がとてもとても強い人間だと思っていた。その強靭な精神力に怖いとすら思ったこともあった。
常にひょうきんで、ボケ倒して、人の話を全然聞いていないようで人の事をよく見ていて、大事な時に短く・端的でいて核心を伝えるような君が好きだった。

 


君はあの4日間で、こんな言葉を紡いでいた。

「後悔はありません。みなさん方のために、いつも本当に一生懸命僕たち11人で頑張って、練習したと思うし、この話をしたかったんですよ。僕たちのワナブル、本当に後悔なく愛しました。」

「僕の幼い頃から振り返ってみるんだけど、(なぜ)そんなに一生懸命生活してきたのかよくわからないんです。正直。僕(に)は。だけど、多くの愛を受ける(に足る)人間なのかよく分からなくて、正直、多くの方々が愛を下さり、音楽を聴いてくださり、うまくやってるって言ってくださり、いつでも信じてくださり、愛してくださり、本当に感謝しています。(中略)ワナブルを沢山目に焼き付けます。沢山焼き付けて、忘れずに、心の中の片隅にずっと場所を作っておくから。」

「とりあえずワナブル本当に愛しています。今日じゃなかったら、明日じゃなかったら、この愛しているという言葉を言えないから、今沢山言おうと思って」

「ずっと(泣くのを)我慢してたんですよ。なぜなら今日の僕の目標が何かというと、もともと僕はプデュにでたときから、スタートしてから、ワナブルが作ってくださった機会に対してお返しするために、僕は最後の時まで最善を尽くして(ステージを)降りようと思ったんですよ。」

 


君は私たちにこんな手紙も残してくれた。

まず、僕の人生で一度立つかどうか(考えた)という舞台、またこんな新しい世界に出られるようにしてくれて感謝します。
実際、プロデュース101に出る前、絶えず練習をして挑戦をしながら疲れるときもあったけど、
暗かった未来がいつかは明るく輝くこともできるという小さな希望ひとつで、僕たちのワナブルを訪ねて来ました。

全てがありがたいですが、一番ありがたいのは、私が一生懸命踊って歌わなければならない理由になってくれた皆さんです。
忘れられない多くの日々をいつも一緒に過ごしたワナブルのように泣いて笑った私たちの過去を思い出す時、
「あの時本当に良かったし幸せだった」と話してくだされば本当にありがたいです。

一つ告白することがあるとしたら、 僕はいつも終わりを考えながら ステージを準備してきました。
その理由は、デビュー後一曲一曲準備をしながら本当に後で私たちが別れる時間が来た時、後悔する姿で、絶対に最初と同じ姿で終わらせたくなかったからです。

それで、皆さんがくださった大きな愛に報いるために努力した結果、これだけ素敵な姿に成長したんだと思います。
多分、ワナブルがいなかったら こんなに頑張っていたかもしれないと 僕自身に話したかったんです。

けれど、これからは自信を持って言うことができると思います 「本当に最善を尽くして愛しました」と。 僕たちのワナブル。

 

 

27日の本当に最後、君がステージを降りるとき、

「もらったものが多すぎて、すごくありがたくて、申し訳なくて、本当に心の底から愛していました。明日から笑って過ごそうと思ってたんですけど、だめですね。
ワナブル…ワナブル…ワナブル!!!……あんにょん」

と言葉を残して、君は「アイドル」を終えた。

 

 


今振り返ると、君は強いのではなくて、「我慢強い」のだな。と思った。
君が26日に泣いたとき、私はまさか君が泣くとは思っていなくてとてもショックだった。君は精神が強かったわけではなくて、緊張の糸をピンっと張り詰めたまま、ずっと走ってきたのだなと感じたのだった。
君はいつも端的に核心を突いた言葉をサラッと言って、表向きはとても「強く」見える子だったけど、それは君の「気質」ではなくて、君が意図的に演じていたのだなと気付いた。
言おうと思えばいくらでも紡げる言葉を、君は敢えて言わない。出そうと思えばいくらでも出せる喜怒哀楽を、君は敢えて出さない。そういう子だったのだ。
それは君がソロになってから、特に君が今回カムバして数々の場面で発した言葉や、先のソウルコンで泣いてしまった姿を見てきた今だからこそ、余計にそう思う。

 

初めて君を知って、「好きだ」と思った2年前よりも今の方が君の事をずっと好きなのは、君が「アイドル」から歌手になってからもたゆまず努力を続けて、「アイドル」の枠にも、「歌手」の枠にもとらわれない君自身のステージや、新しい側面を常に見せてくれたからだと思う。
それは、君が「アイドル」であった事実が導いてくれたものなのだ、とも思う。君を信じるファンが与えてくれる愛に応えるかたちで、常に君は努力し続けて、その度に君は新しい自分を見つけて、披露し続けてきた。
今まで11人だったから、ものすごい11人だったから、ソロになった今、11人でいたときに感じたことがなかった現実と緊張と不安に押しつぶされそうになることがあったとしても、君は君なりに変わらず努力をしていて、それがずっと正しくて、ありがたくて、申し訳ないな、と思ってしまったりもする。

 

 

君が去年の今日まで「アイドル」であった1年半も、君が去年の今日、「アイドル」としてのステージを降りてからの1年の努力とその先にあった光景も事実で、今年も自分の限界を設定することなく挑戦し続ける君の姿を、見守ることができたら幸せだと思う。

 

 

 「自分自身に満足すると、到達する前に崩れやすい。 完成形に進むまで、これまで努力した時間より倍になる時間がかかるかもしれないが、何であれ地道な努力は裏切らないから、到底駄目だという放棄はまだ早い。」—Singles 2020年 2月号より

 

 

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Amor aeternus 永遠の愛
Una in perpetuum 永遠に一緒に
Amor aeternus 永遠の愛
Tempus fugit amor manet 時間が経っても 愛は残る

 




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私は、歌手でアイドルのキム・ジェファンが大好きです。