190806

言葉にすることで整理して前を向けそうなので言葉にさせてくれ頼む。

 

今日、10年ぶりに痴漢に遭いました

 

私は2005年から2011年にかけて中高6年間女子校に通っていました。
特に高校生(2008年~2011年)はほぼ毎週のように被害に遭っていましたし、自分が被害に遭っていない日も、クラス内の誰かしらは被害に遭っていて午前中教室に顔を出せずに保健室で療養していました。

痴漢と一括りにしても、いろんなパターンがありました。
直接的に身体を触ってくるパターンもあれば、体液を制服にかけられるパターンもありました。
私は主に胸とお尻を触られることが多かったです。痴漢されている私に気付き「こっちにおいで」と逃がしてくれた人にまた痴漢をされるというケースもありました。

2008年当時、痴漢は大抵「迷惑防止条例違反」にされることが多かったですが、私が被害に遭ったものの中では「強制わいせつ罪」になるケースもありました。
事情聴取の後、「一応」という名目で署の近くにある婦人科で検査を受けたこともありました。
私は突然のことすぎて泣くこともなくただただびっくりしていて、事情聴取が終わり学校に顔を見せると教頭先生は私以上に泣いていました。

制服を着ることがなくなってから、痴漢もぱったりなくなりました。
それからは、自分が痴漢に遭うことはなくても、電車内で痴漢に遭う人を見かけることがある程度でした。

 

急に話がずれるけど、いつも会社にどんな格好で行くか記したいと思います。


勤務地は工場で、危険物を取り扱う為スカートでの勤務は望ましいとは言えません(弊社は就業規則等無いので別にどういう格好でもいいけど)。
そのため毎日パンツルックです。最近は暑いので、ワイドパンツを好んで履いています。
トップスも、中に風が入るようにワイドのブラウスを着ることが多いです。全体的にオーバーサイズのものを好んで着ています。
シューズは、社内にいるときは内履きに履き替えるので、通勤内はビルケン風のサンダルを履いています。ヒールは帰路方面のバス停の地面が土のため、控えています。
弊社の商材の都合もあり、普段はメイクをしません。皮脂が浮いてきてそれが商材に付くと面倒なためファンデーションすらつけません。朝、洗顔した後に付けた化粧水の上にお粉を叩き、眉毛を書く程度です。
髪の毛も、最近は長くて鬱陶しいのでゴムで適当にまとめて結んでいるだけです。

上記からして、俗に言う全く「男ウケ」する格好ではないわけです。加えて、実際に私と会ったことがある人は分かりますが、私は小柄ではないです。寧ろかなり大柄なので、余計「男ウケ」する人物像ではないわけです。

そういう自分が、まさか痴漢に遭うとは思っていませんでした。

「男ウケ」する女が痴漢に遭いやすい、と言いたいわけではありません。私の語彙力と表現力では伝わらないかもしれませんが、私は男を、というか痴漢をする人間を甘く見ていたのだなと思います。

 

弊社の最寄駅は川崎で、私はいつも横浜駅東海道線に乗り換えて9分間ノンストップの電車に乗ります。
毎日ほぼ変わらず、横浜駅8時台発の列車に乗ります。
その時間帯はほぼどこの車両も混んでいて、4分に1本列車がくるダイヤであっても、ホーム内はいつも人で溢れ返っています。
列車が来て、律儀に並んでいた人たちが一気に電車に乗り込みます。
既に車内に乗っている人たちは、自分のパーソナルスペースを確保したいために身体をめいっぱい強張らせています。
計画性のない人たちは、到底入ることのない車内に暴力と形容できる力の量で一気に車内にタックルしてきます。
そうなると、元々車内で「配慮」していた各々のスペースと秩序が壊れ、「きっと正常な時間で同じ姿勢だったら笑ってしまうな」というような姿勢で、身動きが取れないまま9分間を我慢するしかないわけです。
以上は単なる「日常」で、私はこの日常に毎日死んだ顔をして乗っていたわけです。別にとりわけ怒りも、嫌悪感も、疑問もなく、ただただ無の感情で乗っていました。

 

今日も同じように8時台の列車に乗っていました。
律儀に列に並んで、後ろから押し寄せる人の波で一気にドア側まで押しやられて、暑い陽射しが私の身体に差し込み、代わりに私の身体は汗を放出していました。

違和感を覚えたのは発車して2~3分後でした。
左の腋下あたりに形容しがたい違和感を認めました。いやいやいや、え?いやありえないでしょ…私だよ?百貫デブだよ?いや~これはさすがに私の勘違いでしょ?
そう思っていたんですね。というかそう思いたかったんだと思います。
多分最初は誰でもそう思うんでしょうね。「なんかあるあたりにモゾモゾ違和感があるけど、まさかねー?いやいやいや」となるでしょうね。
億が一痴漢をされていたとしても、私の容姿で痴漢なんてありえないと思っていました。
その時私は右肩にトートバッグを持っていたので、「いや、あなたが痴漢しているとかではなくてちょっと右肩が痛いから左肩に置き換えましたよ~違いますよ疑ってないですよ~」の体でトートバッグを左肩に掛け替えたのです。
今日持っていたトートバッグは柄の部分が長かったので、手はその柄を超えて依然として腋下を触り続けていました。

愕然としました。
私の手元にあるスマホは黒くて、反射して私の顔を映し出します。
最近また太って浮腫みに浮腫んだ醜い顔を映し出していました。
こんな私が、痴漢に遭うわけない。そう思うと同時に、こんな私だから、痴漢に遭ったのだと認めざるを得ませんでした。

 

痴漢する人間も十把一絡げで、すぐ捕まるような人もいれば、なかなかに標的の心理を読んでくる賢い人もいるんだと思います。
私は、既述した格好に加えて太っていると自認しているため、自分は痴漢に遭わないと思っていました。
そういう人間が痴漢に遭った時、世間は私のことを助けてくれるのでしょうか?
あの時、「痴漢された」と確信をもって感情を怒りに変換して、相手を警察に突き出したところで、私の話を真面目に聴いてくれる人はいたのでしょうか?
最近は痴漢冤罪も増えているため、警察も100%私の話を聴いてくれるとは限りません。
私が10年前に「受けた」時のように、DNA鑑定で被疑者の爪から私の体液の付着を確認できればまだしも、あの乗車率120%の車内で、服の上から局部や胸ではない箇所を触ったところで、「通勤ラッシュだったからね」で済まされたのではないでしょうか。
今日私にああいうことをした人は、それを全部分かっていたのだと思います。だから私を触った。私は声をあげられないから。

 

私がショックを感じたのは、痴漢をされたという事実のほかに「痴漢をされても仕方がないのだな」と自分でその状況を、世間を認めてしまったことでした。
私が声を上げたところで、誰も私の見方になってくれないという無力さ。現に、こうやってネットの隅で喚くことしか私にはできません。
家族にも、上司にも、言えないですよね。言えない。この容姿だったから。自分が甘えていたから。受け入れざるを得ない。
声を上げられないということがこんなにもショックなことだと初めて知りました。
10年前、痴漢が日常茶飯事だった私は泣いたことはなかったけど、今日は流石にトイレでボロボロと泣いてしまいました。
ああ私は「弱者」だったのだな。と痛感したのです。

 

心を落ち着かせるために心の赴くままに書いていたから、この短文の帰結が見えないけれども、
私は、きちんとしなければいけないのだ。と思ってしまったのです。
丸の内で働く女性のように、タイトなスカートを履いて、ブラトップじゃなくてきちんとブラジャーにインナーを着て、髪の毛も綺麗に巻いて、お化粧もきちんとして、ヒールも履いて
「この人に痴漢をしたら捕まる」と思わせなければならないために、綺麗にならなければいけないのだなと思いました。
人はそれを迎合というのだと思います。みんながみんな、丸の内に働いている人も、痴漢をされないために小奇麗にしているわけではないです。当たり前です。分かっています。
そういうことを言いたいのではないのだけど、今の私はそういうしかないのです。
社会を、価値観を、認識を変える力は私には無い。ないから、迎合するしかないのです。この社会に。この世間に。
なんと愚かなことか。

 


もう少し冷静になって、今日の出来事と距離を置けたらまた考えも変わってくるのかもしれない。
でも今の私の価値観と知識と経験では、この答えしか導出せない。本当に愚かだと思う。

 

 

疲れた。早く家に帰って寝たい。